2.豊郷小学校の耐震診断に関する経緯

● 平成7年~8年に(株)森野設計事務所が耐震調査をし、豊郷町議会文教民生常任委員会に結果を報告する。耐震補強案(コンクリート壁で補強する)を提案。

● 平成9年9月5日… 戸田町長(当時)の諮問委員会「豊郷町教育施設等整備推進協議会」が答申を提出。(豊郷小学校に関しては「平成12年度にめどに耐震補強と改修を行う」との内容)

● 平成11年12月… 町長に当選した大野町長(当時)のもとで「豊郷小学校は改築する」との方針転換がされる。平成12年4月に「建設検討委員会」が発足し、8月には「図書館を残し、講堂と本校舎を改築」と決定。同年11月の第4回検討委員会において(株)森野設計事務所は、「耐震補強や改修をしても長くはもたない。」「工事費は11億円かかる。」と説明。

● 本会が裁判を闘う中で「(株)森野設計事務所の耐震調査はやり方そのものがおかしい」ということを明らかにする。平成15年5月に寄贈者の孫古川博康氏と協力して(株)イオリ建築設計事務所(代表取締役・谷尾俊弘氏)に耐震診断を依頼。

● 同年6月12日イオリ建築設計事務所の耐震診断結果の妥当性についての第3者判断、判定業務を公的機関である財団法人建築研究協会(理事長・川上貢京大名誉教授)に委託、建築耐震診断性能判定評価委員会(委員長・金多潔京大名誉教授以下6名)が組織され、技術的な内容についての詳細検討が重ねられた結果、イオリ建築事務所の診断結果は妥当であるとの判定主が8月6日に発行された。

● 同年8月20日…この「豊郷小学校耐震診断性能判定書」を公表するとともに、これを大津地裁に提出する。

● 同年11月に高橋直子、岸田正太郎連名で森野設計事務所に対して、森野耐震診断に対する「公開質問状」を出すが同社は答えず。

● 2007年4月13日… 最高裁判決(住民側勝訴)が出る。同年4月27日に伊藤町長が誕生。

● 2007年5月1日… 竹内秀典副代表と高橋事務局長が、直接、町長に面談の上「豊郷小学校耐震性能判定書」を使って早急に改修することを求めて要望行動を行う。

● 数日して、辻総務課長(当時)から、電話が高橋事務局長宛にあり、「申し入れにあった『耐震診断書」とはどの書類か?」と問い合わせがある。高橋は「総務課が持っている『豊郷小裁判』の書類の中にあるはず。」と答える。辻課長は、「中村前課長から裁判の資料を預かっているが、膨大な量なので、どれが該当する書類なのかわからないので教えてほしい。」と高橋に依頼する。

● 翌日、高橋が役場に出向いて対応する。⇒ 辻総務課課長が出してきた裁判資料の中から、「ここからここまで」と指定する。

● 2007年6月5日…本会の本田、竹内が伊藤町長と面談し、「判定書」を使っての早期改修を申し入れる。伊藤町長は「議会の同意が得られないから新しく耐震診断を行う。」と表明。

● 2007年9月町議会… 町は、新耐震診断費用2200万円を補正予算に計上し議決
される。

● 2007年10月4日…「豊郷小学校旧校舎群耐震診断・耐震補強計画策定業務」を(株)一粒社ヴォーリズ建築事務所と随意契約で締結。(2100万円)

● 2008年1月21日…伊藤町長の諮問委員会「まちづくりプロジェクト委員会」が設置される。新メンバーの中に考える会代表として藤田佳子氏が入る。

● 2008年1月29日~3月31日…(株)一粒社ヴォーリズ建築事務所による耐震診断の作業が始まる。

● 2008年3月…(株)一粒社ヴォーリズ建築事務所による耐震診断報告書が町に提出される。

● 2008年4月15日…第2回「まちづくりプロジェクト委員会」

● 2008年5月9日 第3回「まちづくりプロジェクト委員会」
「今年度中に工事を終わらなければ補助金が出ない。」という上田主監の誘導で、「答申を出すことを催促される。委員の中から不満の声が多数出るが「答申案」を修正の上、5月16日にまとめることが決まる。

● 2008年5月16日…第4回「まちづくりプロジェクト委員会」で「答申案」を了承する。石田委員長から「今後、実施設計ができてから図面を見ながらのパブリックコメント的なものを求めることが可能か?」という質問が出される。主幹は「時間的に無理」と答える。

第1回~第4回の委員会の中で、「窓の裏側に耐震壁を造る」という耐震補強方法に関して、(株)一粒社ヴォーリズ建築事務所からは具体的な説明は無かった。

● 2008年6月20日…実施設計管理業務の指名競争入札で(株)一粒社ヴォーリズ建築事務所が890万円で落札。(契約額・934万5000円)

● 2008年8月…(株)一粒社ヴォーリズ建築事務所が耐震補強と大規模改修の実施設計に入る。

● 2008年9月5日…議会全員協議会で工事概要の説明。(具多雨的な工事方法については説明なし)

● 2008年9月10日…工事請負費予算(6億5000万円)が計上され議決。

● 2008年10月6日… 役場に「(株)一粒社ヴォーリズ建築事務所が請け負った背景」について再度、確認に行く。村田課長補佐が以下の対応をする。

高橋:「当会の判定書を使わない」と決めるまでに頼んだという機関名は?

村田:滋賀県建築物耐震診断審査検討委員会:(Tel)077-526-4476と(財)日本建築総合試験所(吹田市)である。

高橋:町が「近辺の設計事務所にも頼んだ」という設計事務所名は?

村田:ヤスザワさんと水原さんだ。両方とも断ってきた。それぐらいだから、「他の社も受けないだろう」と判断してヴォーリズさんに頼んだのだ。

高橋:「それらの社に判定書の『判定』を頼んだ」ということが分かる書類を情報公開で求めたい。

村田:電話での依頼なので、書類としては無い。

高橋:(株)一粒社ヴォーリズ建築事務所に渡した仕様書を情報公開で求めたい。

村田:仕様書としては無い。プロジェクト委に出した概要書がそれに代わる。

高橋:具体的にどのような工事内容になるのかが分かるものは無いのか?実施設計の内容を知りたい。「議会議決があるまでは出せない。」とのことであったが、議決が済めば、情報公開手続きをすれば可能か?

村田:可能である。

高橋:「何にいくらかかるのか?」ということも知りたいが、「請負金額」の内訳を情報公開で求めたい。これも議会で議決されれば可能か?

村田:可能である。

高橋:(株)一粒社ヴォーリズ建築事務所の耐震診断はどこの第3者機関に判定してもらったのか?

村田:判定書が必要なのは、教育施設のみだから必要ない。だからどこにも判定をしてもらってない。

● 208年10月9日…入札実施。奥田工務店が5億3865万円で落札。

● 2008年10月16日… 入手した(株)一粒社ヴォーリズ建築事務所作成の「耐震診断書」の資料を分析してみると、正確でないことがわかる。また、窓やドアの裏側に耐震壁を設ける改修方法であることもわかる。

● 2008年11月1日… 伊藤町長宛てに「旧豊郷小学校の文化財登録および保存活用に
関する要望書」を提出。同年11月7日に滋賀県知事宛にも同様の要望を行い、専門委員会を立ち上げて、(株)一粒社ヴォーリズ建築事務所作製の「改修案」の再検討をすることを求める。

● 2008年11月13日… 5月16日以降、半年間1度も開かれなかった「まちづくりプロジェクト委員会」が議会全員協議会と同時に開催される。(株)一粒社からは改修方法についての説明はされず、外構内容の変更(樹木伐採)のみのテーマ。⇒「なぜ今頃このような相談をするのか?初めからわかっていたことではないか?」等と非難の声多数。⇒結論出ず。

● 2008年11月28日… 第5回まちづくりプロジェクト委員会で藤田委員が「(株)ヴォーリ建築事務所の耐震診断の不備・不正確さについて質問。⇒(株)ヴォーリ建築事務所の石若副社長は「即答できない。文書で質問を出すように。」と答える。⇒提出したが、同社は回答せず。(傍聴記参照)

● 2009年12月 日…伊藤町長より「問題ない」との回答書が藤田委員に届く。

● 2009年1月5日 監査請求を提出する。

(高橋直子 記)