経緯・経過

豊郷小学校改築問題および校舎保存運動の経緯
 年月日 主な出来事
1999.11. 大野和三郎氏が僅少差で町長に当選。大野和三郎(自民)1594票、伊藤定勉1468票、戸田年男991票、今村恵美子(共産)647
2000.03. 「滋賀県近代化遺産総合調査報告書」で、調査委員長は文化財登録の価値ありとして登録を推奨
2000.9.26 書類上の同窓会会長・夏原四郎氏が町会議長宛に「校舎改築に関する請願書」を提出、採択される。
2001.2.2 町長が古川博康宅訪問。「現校舎は老朽化しており、耐震性に問題がある」「校舎改築が町民の総意」と説明
2001.5.24 1回検討委員会開催。「校舎は耐用年数50年以上を経た不適格建物」「古川博康氏が豊郷小学校改築を了承」と発表
2001.8.11 2回検討委員会で校舎、講堂の建替えを決定
2001.8.22 指名設計競技に5社参加。1次審査(106)で5社より2社選定。
2001.10.12 住民グループが「豊郷小学校の歴史と未来を考える会」を設立、第1回シンポジウムと見学会を開催
2001.10.15 3回検討委員会で設計競技2次審査を行い、設計委託業者に森野設計が選定され、18日、4620万円の設計業務契約を締結
2001.11.26 4回検討委員会で「補強しても長くは持たない」と、耐震診断の請負った森野設計の森野武雄氏が発言
2001.12.4 町に住民監査請求を提出。請求の趣旨は①町には優れた歴史遺産を保存する義務がある②補強工事で十分な耐震性を達成できる③取り壊しは自治体財産の管理とムダな支出を禁じた地方自治法や文化財保護法に違反
2001.12.6 町議会が講堂解体費5500万円の補正予算を可決。町長が年内取り壊しを表明
2001.12.12 住民側が「講堂解体差し止めの仮処分申請」を大津地裁に提出
2001.12.17 (1)日本建築学会近畿支部が豊郷町に「豊郷小学校校舎保存を求める要望書」を提出。(2)町長が「安全性や利便性、快適性が大切。文化的な価値は二義的なこと」「児童の安全に誰が責任をもつのか」「私には文化はわからない」と発言
2002.1.17 最終署名簿を大津地裁に提出。累計署名数4372名(うち有権者約1200名)
2002.1.24 大津地裁が「講堂の解体差し止め」の仮処分決定。①文化的な価値ある建物と認定、②町財産の管理方法として適切さを欠く、との判決趣旨
2002.6.24 「豊郷小学校等建設委員会」が発足。第1回建設委員会で町長が「講堂は保存」と表明
2002.7.16 2回建設委員会で、講堂と図書館を残し、校舎新築のレイアウト案を強行採択
2002.8.15 豊郷小大同窓会および見学会を開催。卒業生、先生方約200名参加
2002.8.22 住民側が「校舎解体差し止めの仮処分申請」を大津地裁に提出
2002.8.30 3回建設委員会で、森野設計の校舎改築実施設計案を賛成多数で承認
2002.9.6 定例町議会で、校舎改築等の補正予算21億7800万円を賛成多数で可決
2002.10.1 町が校舎解体のための造成工事に着手。住民抗議集会を開き、「人間バリケード」26日間(10月5日~30日)の座り込み運動に入る。
2002.10.2 「豊郷一新の会」(伊藤寛代表)が発足
2002.10.15 森野設計の耐震診断入力データの改ざんが発覚
2002.10.27 耐露診断調査についての緊急学習会を開催
2002.10.28 町に耐震診断の再実施を求める要望書を提出。森野設計がミスを認める。
2002.11.15 町長の解職請求(リコール)署名運動を開始
2002.12.2 リコール署名2033筆を町選管に提出
2002.12.11 町長が「1222日、校舎解体工事着工」を表明
2002.12.19 大津地裁が「校舎の解体差し止め」の仮処分決定
2002.12.20 町長が、引越し作業と銘打って、校舎の窓ガラス・窓枠、天井、階段の一部を壊すなどの解体作業を強行。住民が同夜から校舎に泊り込みを開始
2002.12.22 河村たかし衆議院議員が豊郷小学校に来校。支援、協力をする旨話す。教育長が20日の行動が町長の指示によるものであることを認める。
2002.12.24 (1)河村たかし他2議員が連名で遠山文科大臣宛に「豊郷小学校の保存要望書」を提出。(1)町長が文部省を訪問、河村副大臣に校舎保存の意向を伝える。夜に現校舎保存と新校舎建設を表明。(3)住民が泊り込みを解除。④町長を建造物損壊容疑で県警に告訴
2002.12.25 (1)滋賀県警警察官、検察官約30人が現場検証。「考える会」が文部科学省を訪れ、校舎新築の国庫補助金交付の取り消しを求める要望書を提出。(2)「考える会」は文部科学省を訪れ、校舎新築の国庫補助金の交付の取り消しを求める要望書を提出。(3)住民監査請求を提出。校舎の原状復帰と損害賠償を求める。
2002.12.27 住民監査請求を提出。新校舎建設をしないよう求める。県警が建造物損壊か器物破損の容疑で立件する方針を示す。
2003.1.4 教育長が「仮設校舎と現校舎の両方で授業を行う」との合意直後、合意を破棄し、3学期授業を仮設校舎で行うと通告
2003.1.5 町長の指揮で、仮設校舎への引越し作業が行われる。
2003.1.6 北坂均校長が混乱の責任をとって辞任
2003.1.7 3学期の授業を仮設校舎で開始
2003.1.8 リコール署名数1892筆(有効署名数1886名以上)が確定
2003.1.9 リコール本請求を提出。60日以内に住民投票が行われることになった。
2003.1.10 (1)町選管、リコール本請求を正式受理。60日以内に住民投票が行われることになった。(2)第6回建設委員会で運動場側での校舎新築案が承認される。町長が「仮処分は法的拘束力がない」と主張
2003.1.15 堤新校長が着任。仮設校舎での授業参観が行われる。卒業式を講堂でとの要望書が校長に手渡される。
2003.1.22 「考える会」が現校舎を教育施設として引続き活用するよう県に申し入れる。
2003.1.23 町長が文科省と県知事に現校舎の重文指定を要監校舎は「生涯学習の施設として使いたい」と言及
2003.1.24 衆院予算委員会で、河村たかし議員は文科省が「築50年以上の校舎は不適格校舎」としている点を指摘遠山大臣は「不適格建物でも文化的な価値があるものは保存できる」との但し書きがあると説明、「趣旨が正確に伝わるよう表現を手直しする」と答弁
2003.1.25 今井一氏を講師として住民投票学習会を開催
2003.1.28 日本建築学会が「校舎保存活用に関する要望書」を町長、知事宛に提出。日本建築家協会も同様の要望書を提出
2003.2.3 町が現校舎(教育施設)の「用途廃止手続き」を行う。
2003.2.4 「考える会」が「用途廃止」撤回と見学会許可を申し入れる。
2003.2.15 田中康夫長野県知事が豊郷小学校グランドで講演
2003.3.4 住民側が「校舎新築工事差止め」を大津地裁に提訴
2003.3.9 リコール住民投票(賛成:2450票、反対:2070票)で大野町長が解職が決定
2003.4.27 出直し町長選で大野和三郎氏が55票差で再選。大野和三郎2204票、伊藤定勉2149票、戸田年夫265
2003.5.1 大野町長、初登庁。「改築方針は変わらない」「考える会とは話し合う余地がないと発言
2003.5.12 「新建築家技術者集団」(滋賀支部・水原渉代表幹事)「由緒ある“学び舎”を守る会」が新校舎建設の問題点を公表。
2003.5.13 建設委員会で新校舎建設の実施設計案が示された。
2003.05. 「考える会」がイオリ建築設計事務所に校舎の耐震診断の再実施を依頼
2003.5.20 臨時町議会で新校舎建設のための2002年度予算154900万円を2003年度予算に繰り越すことを賛成多数で承認
2003.5.26 古川博康が遠山文部科学大臣宛に「豊郷小学校の保存再生活用を求める要望書」を送付
2003.5.29 「考える会」が国松滋賀県知事に面談。豊郷小学校の保存再生活用と新校舎建設凍結を求める要望書を提出。知事が「地方自治の時代、県から町に対して行政指導や助言を行うことはできない」と。
2003.6.1 裁判報告集会開催。講師水原渉・滋賀県立大教授、吉原稔弁護士
2003.6.7 豊郷小学校見学会を実施。78両日で参加者650名以上の多数
2003.6.12 豊郷小校舎の耐震診断性能評価を(財)建築研究協会(理事長・川上貢京大名誉教授)に委託。建物耐震診断性能評価委員会(委員長・金多潔京大名誉教授)が組織される。
2003.6.15 「新校舎建設反対」集会とデモ行進実施。新校舎建設のための杭打ち工事が開始される。
2003.6.16 校舎新築工事が始まる。「工事中止」を町長に申し入れる。
2003.6.18 住民グループが滋賀県警本部長宛に大野町長の暴挙(02.12.20)を厳しく究明することを求める1次要請署名(1200筆)を提出
2003.6.20 「豊郷小学校問題現地調査団」(近藤忠孝団長)が県警本部長宛に「大野町長の行為が建造物損壊罪にあたる。県警は早急に厳正な捜査をしてほしい」との申入れ書を提出。刑法専門学者・中山研一京大名誉教授の意見書を添付
2003.6.25 豊郷小学校校庭内に幼稚園開園
2003.7.14 「校舎新築工事差止め訴訟」の弁論準備が大津地裁で行われた。
2003.7.30 滋賀県警と検察庁に署名提出(2000筆)
2003.8.6 耐震診断性能評価委員会の性能評価判定結果(86日付)が委員会より送付される。
2003.8.20 (1)彦根記者クラブ(性能評価委員会委員(福本和正・滋賀県立大学教授、イオリ建築設計事務所(谷尾俊弘・代表取締役)、古川博康が出席)で校舎の耐震診断性能評価結果を公表(2)同日、耐震診断性能評価結果を現在係争中の「新校舎建設差止め訴訟」の証拠書類として大津地裁に提出
2003.8.21 「考える会」が文部科学省、文化庁を訪れ、実情を訴える。
2003.8.25 「新校舎建設差止め訴訟」の弁論準備が大津地裁で行われた。裁判官が「これだけ証拠が出揃い争点が明らかなのだから、尋問なしで“判決言い渡し”も考えられる」と。
2003.8.28 「校舎後利用委員会」が発足、第1回委員会を開催
2003.9.10 10日までに滋賀県警が大野町長を建造物損壊容疑で任意の事情聴取を行っていたことが明らかにされた。
2003.11.2 豊郷町議会議員選挙が行われ、定数14名中、「校舎の保存再生活用」を訴えた候補者4名が当選
2003.12.18 町が判決直前、校舎新築工事代金約71000万円を「桑原組」に支払った。前金3億円を合わせると、桑原組に101000万円が支払われた。
2003.12.22 大津地裁が「校舎新築代金支出差止め」の判決を下し、住民側が勝訴する。大野町長宛「豊郷小学校の保存再生活用と新校舎建設停止を求める要望書」を提出
2003.12.23 (1)古川鉄治郎翁の銅像が元の位置に戻る。(2)「1218日に桑原組に71000万円支払われていたことが判明
2003.12.27 「大津地裁判決の学習会」を開催。河村たかし衆院議員が出席
2004.1.8 豊郷小学校新築工事の請負業者・桑原組(安曇川町)の経理部長以下3名が確定申告の添付資料を偽造したとして滋賀県警暴力団対策課と捜査二課により有印私文書偽造・同行使の容疑で逮捕された。
2004.1.9 町会議員3名(伊藤定勉、伊藤寛、安田進)が河村建夫文科大臣と面談。校舎新築の国庫補助金の交付停止を要望。紹介議員は河村たかし衆院議員
2003.1.13 「桑原組」が18日の逮捕で、第1回目の指名停止処分(1ケ月)
2004.1.14 大野町長の建造物損壊容疑が書類送検され、捜査は県警から大津地検に移った。
2004.1.21 (1)「考える会」が大津検察庁・検事正宛に「豊郷町長・大野和三郎氏の違法行為を迅速に起訴すること強く求める要望書」を提出②大野町長が臨時町議会で「地裁判決に重大な誤りがあり、控訴した」と報告。
2004.1.29 桑原組の経理部長以下3名が有印私文書偽造・同行使の容疑で再逮捕
2004.1.31 裁判報告会「大野町長の書類送検の意味するもの」(講師吉原稔弁護士)
2004.2.5 超党派議員が「公金を支出してはならない」と町に申し入れる。
2004.2.12 大阪高裁に「町長側準備書面」が提出される。
2004.2.13 「桑原組」が129日の逮捕で、第2回目の指名停止処分(1ケ月)
2004.2.16 臨時町議会が開かれ、校舎新築工事で「桑原組」彦根支店との請負契約締結を追認する議案を賛成多数で可決
2004.2.16 桑原組の元専務が先の3名と共謀・有印私文書偽造・同行使の容疑で逮捕
2004.2.18 (1)桑原組が暴力団山口組に8000万円渡していたことが判明 (2)彦根市と犬上郡3町合併民意アンケート調査結果が公表される。
2004.2.23 (1)彦根市長が非公式会合で「合併を断念する」旨を表明 (2)桑原組の指名停止が412日まで延期される。 (3)住民134名が校舎新築工事費支出差止めの勧告を求める監査請求を提出
2004.3.3 大津地検に要請署名2832筆を提出、大野町長の迅速な起訴を要請した。
2004.3.5 児童約252人がプレパブ仮設校舎に学用品などを運び引越し作業をする。
2004.3.8 新校舎で授業が開始される。
2004.3.11 豊郷町議会で町長が「業者からの支払請求があれば、遅くとも531日までに支払う」と答弁
2004.3.15 桑原組副社長・桑原勝良が逮捕され、翌日「桑原組」が書類送検
2004.3.19 卒業式が講堂で執り行なわれた(33名が卒業)。プレハブ仮設校舎での学習は1年余りにも及んだ。